concept コンセプト

チョコレートを中心とした
洋菓子と洋酒の専門店

主題 motif

わたしたちが口にするお菓子やお酒は、
西洋の文化、主にキリスト教の修道院や教会にその発祥を辿ることができます。
かつて教会や修道院は、布教や祈りの場であると同時に、
医学や薬学、植物や鉱物学など、現代における病院や研究機関の役割も担っていました。

滋養や治療の効果を得るための蜂蜜やハーブ、
修道女たちの手によって作られたパンやお菓子、
自給自足の為に醸すビールや、修道士たちの汗を吸って開墾されたワイン畑。

当時、生み出された収穫は、教会の祭事や王侯貴族などの特権階級にふるまわれ、
市井の人々の口に入ることは極めて稀でした。

やがて、宗教改革に端を発し巻き起こる市民革命、教会勢力を解体したナポレオンの治世を経て、
広く庶民の手に届くようになります。

香辛料や油など、イスラムの技法を獲得したレコンキスタ(スペイン国土回復運動)、大航海時代には、
宣教師たちによって大陸を跨いだ交流が始まりました。

コーヒーや砂糖のプランテーション、チョコレートなど嗜好品を搾取した植民地貿易。
正負の記憶を含有し、世界中の食材や食文化を取り込みながら、お菓子やお酒は進化を続け、
現代に繋がる雛型のようなものが形作られていきます。

こうしたルーツを辿りながら、お菓子やお酒についての知識や技術を研究し、現代の嗜好に沿った新しい味覚体験を作り出す。
そしてまた、次の時代に、分かりやすくその物語を語り継ぐ役目があると私たちは考えます。

歴史に学びながら、失われた人々の暮らしや心に想いを寄せる。
そして何よりも皆様と一緒に、美味しい“現在”を共有できたならなんと幸せなことでしょう！